第25章 強い先輩
私達は、正座して話を聞く。
縁下
「基本的には優しい主将に甘えて、それまで“それなりに楽しくやってた部活”が、途端に“勝つ為の部活”になって、ぬるま湯に浸ってたみたいな俺達は、びっくりして逃げ出した。
でもやっぱりバレーがしたくて、戻って来た時には、烏養監督はもう居なかった」
…ちゃんと戻って来たなら、そこまで気にする事でもないと思うけど。
日向/影山
「……」
成田
「うちは部員多くないから、澤村さんは、ちゃっかり戻って来た俺達にも目を瞑ってくれてんだと思う」
縁下
「俺達、情けない2年だけど、戻って来たからには、お前達にも負けないように頑張りたいと思うよ。だから、改めて宜しくな!」
日向/影山
「ハイ!」
情けなくなんかない…
暦
「あの、私が言うのは、何か違う気もするのですが…」
マネージャーとしてってより、選手だった者としてって感じになるかな…
縁下/木下/成田
「?」
暦
「…辛くて逃げ出したくなる人は沢山居ます。寧ろ思わない人の方が少ないです」
私の居たチームにも沢山居たし…