第17章 大きくて小さな人
烏養
「あとは、セッターか…俺やりてえけど、外から見てなきゃだしな…お前らの方から1人、セッター貸してくれ」
菅原/影山
「!」
少しの間の後、菅原先輩が歩み出た。
影山
「!」
田中
「Σスガさん⁉︎」
影山
「…俺に譲るとかじゃないですよね」
菅原
「………」
影山
「菅原さんが退いて、俺が繰り上げ…みたいの、ゴメンですよ」
菅原
「…俺は…影山が入って来て…正セッター争いしてやるって思う反面、どっかで……ほっとしてた気がする。
セッターは、チームの攻撃の“軸”だ。一番頑丈でなくちゃいけない。
でも俺は、トスを上げることに…ビビってた…」
影山
「……………」
菅原
「俺のトスで、またスパイカーが何度もブロックに捕まるのが恐くて、圧倒的な実力の影山の陰に隠れて…安心…してたんだ…!」