第17章 大きくて小さな人
暦
「だからこそ、バレー部に戻って、努力して、皆と戦って欲しいです」
東峰
「……俺にはもう…皆に見せる顔がない…」
イライラッ
私は、両手を伸ばし、東峰先輩の両頬を挟み込み、背伸びして東峰先輩の目を見つめた。
東峰
「⁉︎」
暦
「好きなものから、待ってくれてる仲間から、逃げないでください」
東峰
「!」
暦
「そもそも、誰も東峰先輩を責めていません。それでも、後悔や責任の念があるのなら、バレー部に戻って努力して返していくべきだと思います」
私は、東峰先輩から手を放した。
暦
「最後に…私は、東峰先輩に諦めて欲しくないです」
東峰
「!………」
暦
「話を聞いてくださり、ありがとうございました。失礼します」
東峰先輩に頭を下げ、体育館に入った。