第8章 映せる景色
菅原
「なんつーか、もっと日向の持ち味っていうか、才能っていうか、そういうの、もっとこう…えーっと…」
田中
「スガさんファイト!ガッと言ったって下さい!ガッと‼︎」
ガッとって…
菅原
「なんか、うまいこと使ってやれんじゃないの⁉︎」
暦
「えー…」
…言い表し難いのはお察ししますけど、漠然とし過ぎでは…(←口には出さない)
菅原先輩は、少し間をおいて、再び話し始めた。
菅原
「……俺も…お前と同じセッターだから、去年の試合…お前見てビビったよ」
影山/日向
「?」
菅原
「ズバ抜けたセンスとボールコントロール!そんで何より…敵ブロックの動きを冷静に見極める目と判断力‼︎…俺には、全部無いものだ」
田中
「そっ、そんな事ないっスよ、スガさ─」
澤村
「田中、一回聞いとくべ」
田中
「……」
…まだ菅原先輩のプレーを見た事がないから、私は何も言えないけど…
相手のどこがどう凄いのか、自分とどう違うのか、プレーを見てそれを理解出来るなら…菅原先輩も、よく人を見てるって事なんじゃないのかな…?