第51章 大切なもの
日向
「梢さんが言ってた!暦がバレー部辞めるって言っても、暦の意思でじゃないって‼︎」
日向の言葉を聞いて、鳴宮の表情が歪む。
暦
「私の意思で、だよ」
初めて見た…悲しみでじゃない…鳴宮の泣きそうな顔を。
暦
「意思がないのに、辞めるなんて言わない!」
俯いた鳴宮の声は、また震え始めてる。
暦
「私にとってバレーボールは、何より大好きなもので、大事なものだった」
初めて聞く…
暦
「だけど、私は…自分のバレーボールの為に、大切なものを壊した」
鳴宮の、バレーボールに対する思い…
暦
「もう…バレーボールをやりたいなんて言えない…言わないって決めたの」
全
「!」
床に、鳴宮の涙が落ちた。
暦
「マネージャーだって…なりたくてなったんじゃない…!」
それを見ても…俺達は、言葉を失ったまま…