第44章 二人の渇望
勝てよ、じゃない…俺達で、青城に…
菅原
「─勝つぞ」
影山
「──ウス」
影山の返事を頼もしく思いながら、俺はベンチに向かった。
烏養
「青城と互角に渡り合ったじゃねーか」
菅原
「うちの連中は強いですから」
烏養
「でも、アレだな。次ん時は、もっとセンター線積極的に使っても良いかもな」
“次”…
菅原
「ハイ‼︎ありがとうございます‼︎(ガバーッ」
烏養
「Σ⁉︎(ビクッ」
これで終わりなんかじゃない…うん、次は絶対、今より戦ってみせるべ!
嬉しさを感じながら、俺はコートの中の影山を見た。
──皆の力を引き出せたら、青城とだってちゃんと戦える。
でも、“その先”へ一歩進むには、やっぱり烏野だけが誇る〝最強の囮〟が100%機能しなくちゃいけない。
それが出来るのは…お前だけだ、影山──