第44章 二人の渇望
暦
「次一本‼︎ファイットーーー‼︎」
大きな声援を上げながら、鳴宮がこっちを見ている。
菅原
「鳴宮…」
真っ直ぐ、俺を、見てくれてる。
暦
(頑張って下さい、菅原先輩‼︎)
菅原
「──…うん」
旭と鳴宮のお陰で、俺は悔しさを忘れてコートに立つ事が出来た。
「ナイッサー!」
ボッ
相手の4番の打ったサーブを、大地がレシーブした。
返球を見て構えて…俺は、旭にトスを上げた…そして、
──ガオンッ
一瞬、客席が静まるくらい…力強いスパイクを、旭が決めた─決めてくれた。
ピーーッ
烏野高校選手交替