第44章 二人の渇望
氏家
「バレーって、時間制限あるんですか?」
梢
「無いっスよ。どっちかが25点取って、その時2点以上差があれば終了。差が2点未満なら、25点以降も2点差つくまで終わりません」
氏家
「〝デュース〟の時ですね!」
梢
「イエス!」
滝ノ上
「因みに、サーブ権を“受ける側”の方が得点し易いって言ったの覚えてる?」
氏家
「ハイ」
滝ノ上
「今がその状態だよね。サーブを受けた方が攻撃→得点して、交互に点が入ってる。こういうサーブ権が移る事を、『サイドアウト』って言うんだ」
あ、次…及川さんのサーブだ…
「及川さんナイッサ!」
「ッサァー‼︎」
「一本!」
及川さんがボールを放り、サーブを打った。
梢
「あと、サーブ権を“持った側”が得点する事は─」
それを、夕先輩がレシーブした。