第12章 会いたい…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
うちに帰ると、当たり前だけど電気は付いていない。
昼間の嬉しさが、幻だったかのよう…
月明かりに照らされてるリビングのテーブルに何かが置いてある。
近付いてみると、自然と笑みがこぼれた。
[太輔くんへ]
冷蔵庫が空だったので、オニギリしかできませんでした。しかも、塩オニギリ。具すら入れてあげられなかったよ(笑)ちゃんと家で何か食べて下さい。外食ばかりは身体に良くないよ?
今日はありがとう♪ 依公子
置き手紙と、ラップしてあるオニギリ。
ソファに倒れこんでボーッと眺める天井は、真っ白で、俺と彼女の関係みたい。
何色でもない、ただの白…
きっと彼女の回りは虹色に輝いてる。
旦那さんと、愛しい楓くんと…
テーブルの上のオニギリは食べてほしそうに俺を見てるけど、食べられそうにない…
彼女が恋しくなる…
会える距離に居ると思うとなおさら…
今、何してる…?依公子さん…