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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第43章 In the Ghost town


「誰だ」

そこに、異物が混じりこむ。

部屋の奥から聞こえる、掠れて消えそうな、でもドスを効かせた声。

むせ返るような、血の臭い。

エドに下ろされた私は、ゆっくりと廊下を進んでいく。

声の聞こえる方へ。

生臭い、血が流れている方へ。



やがて目に入ってきた光景に、横っ面をガンッと叩かれたような衝撃を覚えた。

なにもかもが理解できず、頭が混乱する。



「どうして……あなたがここに……!?」



私の声に呼応するように、座りこむ彼が顔を上げた。

額から流れる血で左目を汚しながら、しかし右目は野生の獣のごとく、獰猛な殺気を放っている。

睨みつける視線の延長線上――手には、鈍色に光る包丁。

「――ヨンス!」

その切っ先は、真っ直ぐ私に向けられていた。
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