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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第42章 諸刃の刃の切っ先で 


「あぁ、それは菊さんにもらったんですよ」

ひょっこり現れたのは、トーリスだ。

私の手元をしげしげと見ながら、若干バツが悪そうな苦笑を浮かべている。

それは、何度もスーパーなどで見たことのある、リンゴとハチミツが描かれたカレールーだった。

「甘口……!」

「米もありますよ!」

「なぜ!?」

「以前プレゼント交換会というものがありまして」

「……アルフレッドさん主催の?」

「あっ、知ってるんですね!」

いや、知ってはいないんですけど……。

にしてもチョイスが謎すぎる。

祖国よ、カレーセットて。

保存食(?)限定だったのか?

パッケージの表面に、少しだけチリが積もっていた。

なるほど。こんな茶色い謎辛ソース、馴染みのない国には手が出しづらかっただろう。

そのとき、ピコンと頭上でランプが点灯する。

私は視線をカレールーからトーリスに移し、

「試してみませんか?」

そう言うと、トーリスはキョトンとして、目をぱちくりさせた。
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