第41章 暗鬼による確信による、
エドに引っ張られ駆け出す。
飛びこんだのは、小さな雑木林だ。
エドは木を指さし、次に自分の唇に人差し指をあてた。
木に身を隠せということらしい。
ぶんぶんと頷きながら、しゃがんで身を隠す。
なに? エドも誰かに追われてるとか?
エドも同じように体をかがめて、周囲を警戒した。
それから、さっきまで立っていた場所を睨みながら、携帯を取り出す。
ディスプレイも見ずタッチすると、携帯を耳にあてた。
「車を頼むよ」
名乗りもせずエドは言った。
彼の視線の先――数十メートル先を追いかけると、一人の男がいた。
とりたてて変なところはない。
携帯を片手にした、スーツ姿の、なんの変哲もない一般人に見える。
一般人(?)は通話をしながら、さりげなく周囲をキョロキョロ見ていた。
エドがこれだけ警戒しているんだから、なにかしらヤバイ人なんだろうけど……スパイとか? まさか暗殺者とか!?
「やっぱりあれの通りだった。“情報は正しかった”……」
どこか苦しそうな、声をひそめた呟きがエドの口からもれる。
エドは腕時計を見て、それから私に目線をうつした。
「エド?」
「本当に、現れるなんて……」