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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第28章 on the planned system


その後。

親分が細やかな点の改善を指摘したり、私も必死に言葉を絞り出したりと、子分力(?)の問われる試練をくぐり抜けた。

大真面目に頷いているロヴィーノは、微笑ましいほどに可愛かった。

そして、皆が皿を空にしたのを見て、アントーニョが

「片付けとくわー」

と、私の手伝いの申し出をやんわり断って、空き皿を回収し、キッチンに消えていった。

「……どのくらい眠かったんだ?」

ふいに、脈絡なく、ロヴィーノが肘をついたまま尋ねてくる。

「え?」

「部屋だよ。アントーニョの部屋。眠かっただろ?」

ぶっきらぼうな口調に、記憶を想起する。

うむ、確かに眠かった。

眠くなるアロマ? ハーブ? でも焚いていたのだろうか。

その予想はバッチリあっていた。

彼の話によると、近頃、異変調査で徹夜・夜ふかしばかりのアントーニョを眠らせるために、アロマだとか、ロウソクだとかを駆使しているようだ。

料理を作ってあげているのも、ロヴィーノなりの気遣いなのだろう。

支え合う二人に再度微笑ましくなっていると、ガッチャーン! という破壊音が響く。

「ったくあのヤロー!」

ロヴィーノがサッと立ちあがり、キッチンに向かった。

あとを追うと、グラスが床に砕けて散っているのが目に入る。

そばでは、親分が「すまんな~」というような笑みをへらへら浮かべていた。

「あ、手が!」

アントーニョの右手から、赤いものが滴っている。

どう見てもトマトではない。

「いや~うっかりしてもうた」

「うっかりじゃねぇよコノヤロー! 公子、棚に救急箱あるからこいつ頼んだ」

「は、はい!」

アントーニョは、なんだかふらふらしていた。

ガラスを片付けだしたロヴィーノに一抹の不安を覚えつつ、私とアントーニョはリビングに戻った。
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