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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第27章 By the turning point







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



ポケットが小さく震える。

廊下を歩いていたマシューは、足を止めて携帯を出した。

アルからのメールだった。

会議に遅刻していたマシューは、苦笑いしながらスクロールしていく。

『どこほっつき歩いてるんだい? 公子がもう帰っていっちゃ――』

「わわっ」

前を見ていなかったマシューは、誰かとぶつかった。

その拍子に携帯が手から落ちる。

「ご、ごめんなさい」

慌てて謝り視線をあげると、そこには公子が立っていた。

「私こそすみません」

公子も頭を下げ、携帯を拾うとマシューに差し出した。

「あの……携帯、大丈夫でしょうか」

不安そうに尋ねる公子を見て、マシューは、ふと違和感を覚えた。

――あのメールは、どう続いていたっけ?

「大丈夫だよ。えっと、公子さんはどうしてここに?」

「少し迷ってしまって……やっぱり入っちゃいけない場所でした?」

「そんなことないけど……」

「マシューさん、もしかして遅刻ですか?」

「え? あ、うん。そうなんだよ。異変の資料整理してたら、時間に気づかなくて……」

そうなんですか、と公子が微笑した。

公子は、4日ほど前に現れたときとは、違う服装をしている。

その日の内に戻った、という話だったから、ここにいる公子は、新たにこの世界を訪れてきた公子、ということになる。

――じゃあ、さっきのメールは? なぜ“遅刻”という言葉が出てきた?――

「……公子さん」
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