第8章 イケメンコンテスト
「澪奈ー!! 無視しないでよ~」
窓の外から聞こえる声に、私はハッとした。
美香と……葉山くん?
「何?」
仕方なく玄関を開けると、包帯風なワンピースを身にまとった美香と、やたらと格好いいドラキュラの葉山くんが立っていた。
「まだパジャマって何時だと思ってんの?
澪奈は放っといたらこうなんだから!早く文化祭行くよ!
さっさとこれに着替えて」
ミイラ女が捲し立てる。
ドラキュラがぶっきらぼうに「そーゆうのってお前らしくないんじゃねぇ?」と言った。
私らしいって何なの?
わかんないよ。
大体、文化祭なんて行かないもん。
踵を返して部屋に逃げ込もうとする私の前に、美香が立ち塞がった。
「京ちゃんのこと好きなんでしょ?
あんたはバカみたいに真っ直ぐなのが取り柄なんだから、いい加減素直になりなよ。
コンテストもう始まってるよ。2次審査まで通ってた。
外見だけで判断するような女に、大好きな京ちゃん取られちゃってもいいの?!」