第4章 服装改革①
蝉の声が煩くなり始めて、もうすぐ学校は夏休みになる。
夏休みになったら今よりも京ちゃんと会えるかな。
期末テストが終わって完全に夏休みムードの教室で過ごす昼休み、私はいつものグループで他愛もない話をしていた。
「そうだ、葉山くん。
今度買い物に付き合ってくれない?」
仲良しグループの葉山くんは、うちの学校で1、2を争うお洒落なイケメン。
服装のことは彼に相談すればいいと思ったんだ。
「え?お前、彼氏は?」
「彼氏の服選び、付き合って欲しいの」
お願い、と両手を目の前で合わせるけど、彼はつまらなさそうに言った。
「デブのオタク彼氏の服だろ。俺とは違い過ぎるんじゃねーの?」
京ちゃんはゴールデンウィークのバーベキューパーティー、運転手兼荷物運びとして参加してくれたんだ。
だからうちのグループで京ちゃんを知らない人はいない。