第3章 コンタクトレンズ
フィギュアの話をすると興奮しちゃう
京ちゃんをなだめて、「外見はこれからとして、特技は何にするの?」と尋ねる。
脱がせた服をきちんとネットに入れて洗濯機に放り込みながら、京ちゃんは眉間に皺を寄せている。
「毎年、ダンスとか歌とか、俺の苦手なもんばっかなんだよな」
困った顔の京ちゃんを見てたらお腹が減ってきた。
「ねぇ、京ちゃん。ご飯食べながら考えようよ。
今日は親子丼がいいなぁ」
「いいけど……冷凍に鶏肉はあるとして、卵あったかな」
バイト代は大抵フィギュアと難しい本に使っちゃう彼は自炊派。
ワンルームの狭いキッチンで手際よくご飯を作ってくれる。
「卵ないから、鳥ごぼうの混ぜご飯な」
醤油の美味しそうな匂いに鼻をひくひくさせていると、いいことを思い付く。
「あ、そうだ!」