第1章 社長令嬢
「この中の誰かに愛娘である
環奈の結婚相手になってほしい
しかし、みんなはまだ16歳
高校を卒業するとともに
環奈と結婚し、
財前の財産相続を考えておる」
「でも、誰が…」
「みんなで環奈さんを惚れさせて
選ばれた人が結婚相手ってこと?」
立花さんが思いついたように言った
「おまかせします」
と雪人が淡々と述べた
私は財前社長にお礼をしなければならない
そうだ…そのためなら…
私は、選ぶことを決意した
「ということで環奈さん、
よろしくお願いしますね」
「面白そうだな、環奈、よろしくな!」
「環奈さん、楽しみにしててくださいね
誰にも負けませんから…特に秋月亮には」
「環奈、俺を選ぶのは当然だろう?」
俺様男、ちょっと危ない紳士、艶のある顔で
色香漂わせる歌舞伎俳優、謎の石油王…
私の人生が大きく変わる瞬間だった。