第29章 櫻井翔 vs 相葉雅紀
「相葉さん言っちゃうかー、俺の目の前で」
「だって翔ちゃん寂しい思いさせてるし。ガマンできないよ」
「それに関しては、謝るよ。でも、俺とは別れたくないでしょ?」
そう自信満々に言う翔くん
「私…」
翔くんはずっと憧れの男子だった。
一見チャラそうだけど、
頭いいし、スポーツできるし、みんなに優しいし、リーダーシップあるし。
相葉くんは成績はそこそこだし、おっちょこちょいだし、スポーツはまぁまぁできるけど、女子が苦手な奥手なタイプ。
でも、
優しくて、笑顔が魅力的で、素直だし、周りの人には優しいし、
…私のそばにいてくれた。
今気づいた。
私がこの一か月翔くんのことで悩んでも
その不満を翔くんにぶつけずにすんだのは
『どーしたー?また翔ちゃんのこと?』
『話ならいくらでもきくよ?』
相葉くんが横の席で笑っててくれたから。
あの日の相葉くんの寂しそうな顔を見て見ぬふりしたのは、
罪悪感があったからだったんだ。
...相葉くんに対して。