第26章 そうだった。
あなたは優しかった。
いつも話を聞いてくれて、私をわかろうとしてくれた。
だから。
勘違いしてしまったんだ。きっと。
あなたは私を必要としてくれていると。
あなたにとって、私は特別なのだと。
だから。友達から聞いた。
「付き合い始めた」の言葉。
受け入れられなかった、受け入れたくなかった。
でも口から出るのは、言いたくもない「おめでとう」。
その時やっとわかった。
私は、勘違いしてしまったんだ。
あなたはけして、私のものではない。
みんなのものだったのだ。
そして、私ではない。たった一人の人のものになってしまった。
誰にも言えないこの気持ち。
だって、いつも相談していたのはあなただったから。
どうすればいんだろう。
もう気安く話せないのはわかってるけど。
話したいんだ。
もっと、もっと仲良くなりたいなんて、未だに思ってる自分がいる。
誰か、このループを止めて。
いっそのこと誰か、私を殺して…。