第18章 変わるでしょうか
「死にたい」
この言葉は便利です。
「苦しい」よりも、「辛い」よりも、まっさきに出てくる悲痛の叫びです。
「死にたい」
しかし。言えば、なにか変わるでしょうか。
言った分だけ、自分の心は軽くなるのでしょうか。
友達が、先生が、親が、兄弟が、家族が。
なにか変わるでしょうか。
自分にとって居心地のいい空間になるのでしょうか。
答えは。否。
何も変わりません。変わってくれません。
変わるのは自分です。
嫌でも変わらなければいけないのは自分です。
自ら、苦しい世界に馴染むよう、知らず知らず努力しているのは自分なのです。
なんて残酷な世界なのでしょうか。
「死にたい」
これからもあなた達は使うでしょう。
最もシンプルに、苦しみを最大限に出す言葉なのですから。
そして、何も変わらない現実に、本当の意味で
「死にたい」
と、使う時が来てしまうのでしょう。