第12章 僕には
死ぬのが怖いという君に、
僕は何ができるだろう。
寝るのが怖いという君に、
僕は何ができるだろう。
僕の隣で、小さく震えるその肩を、
ゆっくり、壊さないように、傷つけないように
触れることができたなら
なにか、変わったのだろうか。
君のためと思えば思う程、
動けなかった。
僕は無力だ。
苦しむ君を救えない。
僕は馬鹿だ。
どうすればいいかわからない。
だからだろうか。
だから君は、
僕に頼らなくなったのだろうか。
だからだろうか。
だから君は、
自分ですべてを抱えてしまったのだろうか。
「僕はここにいる」
そう言えたら、
君は…
まだこの世界にいたのだろうか。