第1章 何がしたい?
小さく震えるその身体。
「守らなきゃいけない」
その時思った。
手で触れると君は崩れて無くなって、
僕は絶望に浸かるんだ。
たった今君を殺した2つの手。
どうすれば救えただろう…。
そんな事、思ってないくせに。
泣きそうな顔。 嘘つきだ。 泣いてなんかない。
泣けない。 だって。
守ろうとなんかしてないんだ。君のこと。
いつだって大切は僕。僕。僕。 デショ?
ほら。君を殺したくせに笑えるんだ。
顔が溶けてく。アイスみたいに甘ったるく。
気持ち悪い。こんな自分。嫌い。
でもさいっこうに好き。めちゃくちゃにしたいくらい。
声嫌い。声好き。喉を切り裂きたいくらい。
顔嫌い。顔好き。頬を思いっきり殴りたいくらい。目を繰り抜きたいくらい。
体。身体嫌い。全部好き。そこらじゅうをかきむしりたいくらい。
みんな嫌い。みんな嫌い。みんな嫌い。大好き。
ぐちゃぐちゃにしたいくらい。みんな好き。
そんな目で僕を見るみんなが好き。
あぁ、大好きだ。その大好きなみんなの大好きな目。
僕がもらってあげるんだ。
みんなと同じ目。手に入れるんだ。
ほら、逃げないで?おいでよ、大好きなみんな。