第42章 花火と雨と
花火は綺麗ね。
君も綺麗だよ。
花火はいつもキラキラしてるわ。
君もいつもキラキラしてるよ。
花火はみんなを笑顔にしてすごいわ。
君もいつも周りを笑顔にするよ。
こうして見ると、花火って凄いわね。
え?
いつも笑顔を振りまいているように見えるもの。
…。
青い光を放っていても、とても美しく、笑っているように。
…。
私は花火になりたいわ。
…どういうこと?
ずっと笑顔でいて、悲しい顔なんて見せないの。いえ、そもそも、悲しい顔なんて無いのね。
それが…いいの?
えぇ。
花火になりたいと言ったね?
?…えぇ。
じゃあ僕は雨になるよ。
?
花火もずっと笑顔だとつかれるだろ?僕が時々雨として、君を覆い尽くしてあげるよ。
それじゃあ見えないわ。
いいんだよ。
何故?
君が見せたくないと言う本当の顔を、僕が雨で隠してあげる。
そんなの、必要ないわよ。
そっか。それでも、僕は雨になるよ。
要らないってば。
僕の雨にまぎれて、泣いてもいいんだよ?
私は泣かないわ。
そっか。それでも、僕は雨になるよ。
君だけの雨に、僕はなるよ。