第41章 私にも。
あなたはいつもそう。
とてもとても素敵な景色を見てる。
とてもとても荒んだ景色を見てる。
その感動を、私にも。
その感覚を、私にも。
私はあなたが羨ましい。
どんなに絶望を見ても、それを伝えようとするあなたは、私にはとても輝いて見える。
あなたの目がほしい。
あなたの耳がほしい。
あなたの口がほしい。
すべての感覚があなたになれば、私もきっと、あなたの気持ちがわかるから。
あなたは色々な人に世界を見せようとする。
教えようとする。
楽しいことも、辛いことも。
こう思う人もいる。って、気づかせてくれる。
なのにあなたはいつも、少し回りくどい言葉を使うから。
ちょっと、伝わりにくい。
残酷な世界の現状を、素敵な言葉で包んでしまう。
私は、そのまま知りたいの。
素敵な言葉で包んでしまったら、ちゃんと伝わらない。
私も知りたい。
あなたの思っていることを。
私も知りたい。
あなたが見たものを。