第4章 バケノカワ
みんな みんな 黒い色。
僕も多分、黒い色。
でも本当は、最初は、白かった。
周りの色に染められた。
僕の前に現れた白色。
僕がお前の
「バケノカワ、はがしてやんよ」
みんな卵だ。古い卵。
もろいカラを少しつつけばあっという間にひび割れる。
白かったモノの中身は真っ黒なものが詰まってる。
皆のためだと言ってた事、
実は、自分のために言ってた事。
こんなのおかしいじゃないか。
黒い奴がてっぺんにいちゃいけないじゃないか。
白は何してる?
こんなミニクイ世界を終わらせてくれ。
「お願いだ」
涙を浮かべて振り向くけどそこは真っ暗で。
そこにもう白がいないことに気付かされる。
でも僕は気づいていなかった。
僕がまだ、白かったことに。
たった今。
黒く染まっていたことに。