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音とともに届けて、私の想いを

第2章 奏と、吹奏楽部との出会い




「キャー!!!!」

綺麗に整備された校舎に、黄色い歓声が響く。
その黄色い歓声の先には高峰高校一二を争うほどの美貌をもつ美少女、『維滑 小夜 』
彼女は困ったような、落ち着かないような微妙な表情をしている。

「きゃー!小夜ちゃ〜ん!」
「今日も可愛いわ〜♡」
「こっちむいてぇ〜」
「う、うぅ……早く教室にいきたいよぉ……
………走ろう、かなぁ?」

小夜はちらっと騒いでる者達を見てから、持ち前の足の早さ(逃げ足とは言ってはいけない)で廊下をかけていった。校則違反だ。

「あぁん、まって〜」
「小夜ちゃ〜ん」

運動神経抜群な小夜はどんどん差を開いていく。
しかし、小夜は廊下の角を曲がると、誰かにぶつかり、倒れそうになった。

「わぁっ!?」
「!おっと…」

しかし、ぶつかった相手が小夜を支え、小夜は後頭部を強打………することはなく、倒れることはなかった。

「大丈夫?」
「え、あ、あの、すみま、え、えっとすみませんでした!だ、だいじょじょじょうぶでしゅ!」

小夜は相手の顔を見た瞬間、顔をトマトやりんごのように赤らめた。しかも噛んだ。

「はは、ならよかった。あなたみたいな可愛い子に怪我なんてさせたら……ね」
「え、あ、ふひぇぇぇ!?」
「奏様〜!!!!」
「小夜ちゃ〜ん!!!!」

さらっと照れることを言われた小夜はもっと赤くなった。
しかし、お互い、追ってが迫ってきていた。

「お互い、大変みたいだね。じゃあね」
「え、あ、はい!!」

奏と呼ばれた子は、くるりと方向転換してさっていった。
小夜は奏が去っていった方向をぼーっと見つめていたが、「小夜ちゃ〜ん」という声で我に返り、逃げていった。

「(あの……先輩?……奏……先輩……)」

「(………かっこいい……そしてかわいい……)」

「(それにしても……)」


「(王道なパターン………)」


そんなことを考える小夜であった……
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