第1章 出会い
乃愛said
「ただいま~」
学校から帰ってきて、只今23時を過ぎております。
あたしはこの家が嫌いだ。
だから、いつも友達の家に寄って
帰ってくる。
リビングのドアを開けると
お婆ちゃんがお母さんにアイコンタクトをし、
「家に帰りたくないなら、無理に帰って来なくてもいいのよ」
「ごめんなさい。もう少し早く帰ってきます」
「早い、遅いの問題じゃなくて、帰って来なくていいって言ってるの」
「えっ、だってあたしの家はここじゃん」
「嫌々帰って来られてもいい気しないのよ。さっきあなた、あたしの家って言ってけど、ここ私の家だから」
お婆ちゃん。。。
家に帰りたくない1番の理由
どうやら、あたしは嫌われているようだ。
黙っていると、お母さんが
「これ、東京行きのチケット。乃愛東京で働きたいって言ってたじゃない?だから、わざわざ買ってきてあげたのよ、おばあちゃんが」
チケットを見ると、
熊本発日付が明日の17:30になっていた。
「まってよ!学校は!?しかもまだ高2だよ?勝手に話進めないでよ!」
お母さんは東京の通信制の学校のパンフレットを
あたしに渡してきた。
正直、ショックだった
お婆ちゃんにはどう思われてもいいと思ってた。
でも、お母さんにまでそんな言われるとは思ってなかった。
あたしは、この家を出ることにした。