第9章 Valentine1(日向、影山、嶋田、菅原、岩泉、澤村☆)
先輩は笑顔で迎えてくれた。初めて先輩の部屋に入った私はちょっと緊張してしまった。
貴「大地先輩、これバレンタインなんで、どうぞ」
手作りのチョコを渡す。
澤「おぅ、ありがとう」
大きな手で頭をくしゃくしゃと撫でられる。嬉しい気持ちと、子供扱いされているような気持ちが混ざり、ぎこちない笑顔になってしまった。
先輩はそれを見逃さなかった。
澤「どうした?」
貴「え、何でもないですよ」
澤「そんなことないだろ?何でも話してくれよ」
貴「・・・私、不安なんです。先輩が来月卒業しちゃったら、毎日会えなくなちゃう。大学にはきれいな人も沢山いるだろうし、先輩の事疑うわけじゃないんですけど、自分に自信がもてないんです」
澤「安心しろ、俺はつばさの事が好きだ。これからも、それはずっと変わらない」
いつもの大好きな笑顔で答えてくれた。
貴「じゃぁ、なんで・・・、キスしてくれないんですか?私、魅力ないですか?」
あぁ、泣きたくないのに、涙が溢れそうだ。
貴「・・・ごめんなさい、私、帰ります」
澤「待てよ」
腕を大きな手でつかまれ、抱きしめられる。私は体中が熱くなるのを感じた。
澤「不安にさせてすまなかった。でも、お前に触れたら、自分を押さえられなくなる。お前を壊してしまいそうで・・・、傷つけたくなかったんだ」
貴「私なら、平気です」
澤「頼む、煽らないでくれ。キスだけじゃ済まなくなる」
貴「先輩、・・・私、初めては先輩じゃなきゃイヤです」
澤「・・・もう、どうなっても知らないぞ」
先輩の大きな手が頬に添えられ、角度を変えて何度もキスをする。そのうち首筋、胸元へと移っていき、私は先輩に身を委ねた。
澤「身体しんどくないか」
貴「だ、大丈夫です」
恥ずかしさで先輩の顔が見られない。私は布団の中にもぐりこむ。
澤「隠れるなよ。言っておくけど、こういうコトするのはお前だけだからな」
耳元で囁かれ、私はますます布団から出られなくなった。
END
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バレンタインシリーズ思ったより長くなってきたので10章に続きます→