第3章 東峰 旭 (お誕生日おめでとう記念)
次の日、こっそり第2体育館に様子を見に行くと日向に見つかってしまった。今から練習試合をやるらしい。俺、スガ、西谷は町内会チームに入り、結果は2-0で町内会チームの勝利だった。
東(あぁ、やっぱり俺はバレーが好きだ)
久しぶりに試合をし自分の中でふっ切れた気がした。
東(報告したほうがいいよな)
つばさにメールを入れるとすぐに返信が入ってきた。
貴(ただ今残業中。30分ほどかかるから鍵あけて入ってて)
俺は貰ったばかりの鍵を使う。部屋の中を見回すと、ふとある写真が目に入った。祖父、祖母そして僕ら孫たち3世代にわたり撮った写真だ。
この写真を撮った直後、祖父は交通事故で亡くなった。つばさは祖父に孫の中で一番かわいがられていた。葬儀中はずっと下を向き涙をこらえていたが、いよいよ火葬場で我慢できなくなったんだろう。中庭の隅で一人声を上げて泣いていた事を知っているのは俺一人だ。
後にも先にもつばさが泣いたところは見たことがない。そんな昔の事を思い出していた。
貴「ただいま~」
つばさが帰ってきた。
東「お帰り。お邪魔してます」
貴「なんか”お帰り”っていいよね。こうしてると新婚みたいじゃない?」
おれは、急に気恥ずかしくなった。そんな俺にはお構いなしに彼女はいつもの調子で話を続ける。
貴「とりあえず、ご飯作るから食べながら話しよっか」