第2章 【2nd time】太陽の笑顔(日向翔陽)
「真帆ー!一緒に帰ろ!」
教室で1人時間を持て余していると、
ガラガラと勢いよくドアを開けて、フロア一体に響く明るい声。
…と、同時に視界に現れた君。
彼、日向翔陽は私の幼なじみで。
『部活お疲れ様。』
彼の部活が終わるまで教室で待ち、一緒に下校するのがここ最近の日課になっている。
寄り道するとか特別なことはなく、ただおしゃべりをしながら一緒に帰るだけ。
当然、付き合ったりもしていない。
友達以上恋人未満。
今の関係が1番心地いいのだと思う。
なんでも言い合えるし、なにかあったら真っ先に話してた。
どんなに辛いことや悲しいことがあったとしても、君の笑顔を見ればすぐに忘れられた。
そんな素敵な笑顔を持っている君。
その笑顔に何回救われただろうか。
これから先、何回その笑顔に救われることになるのだろう。
そして、私はどれだけ君の力になれているのかな。
『いつも…ありがとね。』
ふと口から出た言葉。
「え?俺なんかしたっけ?」
『ううん。ちょっとね。』
「なんだよー。もー。」
何がなんだかわからないと言うようにポカンとしている君を見るとつい頬の筋肉が緩んでしまう。
私にとって君は太陽のような存在。
君にとって私はどんな存在ですか?
fin.