第15章 昔の話でしょ。*智*side
“えり”
そう呼んでいた。
俺の家の前でスマホを
見てる髪の長い女性
それは、まさしく
3年前、俺を捨てた“えり”
『大野さん?』
携帯からじゃなくて、
すぐ近くで聞こえる愛しい声
「んあ?あ・・ごめんね?
行こっか。」
『あの…さっき、えりって・・
知り合いの人ですか?』
「え…オイラ言ってた?」
『はい。言ってましたよ?』
「んもぉ…気のせいかもよ?」
気のせいなはずないよね、
聞いたんだもんね?
俺はバカなのかな?
こんな悲しそうな顔をさせて・・
えり「さ…智?」
やめてくれ。
俺の幸せを…・・