第8章 いちご味のキス
バーンっ…バーンっ!
その度に歓声が広がる祭り会場
でも、あたしはずっと
触れたかったものに触れていた。
味わうようなキス
『…んっ…ん……ぁ…』
溶けてしまいそうで、
倒れると思ってしまうほど…
でも、しっかり大野さんが
あたしの腕を掴んで支えてくれてる。
『…はぁ…はぁ…』
「………ちゃん」
やっと離れた唇はちょっと寂しかった。
もしかしたら、これで最後と考えた。
お別れの…キスだったのかもしれない。
「俺と…付き合って?」
きっと夢。
すぐ誰かに起こされちゃうはず。
でも夢ならちょっとは贅沢してもいい?
『…はい。』
また触れた唇はいちご味の香りがして
少し微笑んだ。