第6章 タイミング
from:大野さん
本文――――――
8時にいつものところで。
ただいま6時45分。
このメールが来たのは、
3時30分…なのに、
『…どれに…しよう…』
浴衣をベッドに並べて悩むこと2時間
大人っぽく黒?
可愛く赤?
あの時のピンクの浴衣は…捨てた。
あの女も着てたピンク。
過去は捨てようと思って捨てた。
大野さんが可愛いって言ってたから
ちょっと残念だったけど…
『あ…これ…かな』
あたしが選んだのは白の青いアサガオが
涼しげに見える浴衣だった。
大野さん、好きかな。
なんて恋する乙女みたいに思った。