第5章 コントロール不可能*智*side
『じゃあ、メール待ってます。』
「…あい…じゃあね~…」
そう言って俺に元気よく
手を振るちゃん
そんな顔すると…期待するから。
なんて彼女には届かなくて、
さっきの“もうちょっと”って
言って抱きついてきた彼女の顔を
チラッと見たけど…
「心臓が…ハンパないな…これ」
釣り道具を片しながら、
俺はずっとちゃんのことを
考えてた。
今日ここに来たのだって、
抱き締めたのだって、
祭りに誘ったのだって、
全部、思いと裏腹に体が動いた証拠
「コントロール…できねぇな~…」
コントロール不可能だ。