第3章 さん。
ぼーとしているうちに、全ての授業が終わった。友達がわたしに、帰りは別でと言ってくる。
「なんかあるの?」
「今日は彼氏の家にそのまま行くからー」
「あ、なるほどね」
気を少しでも紛らわしたかったけど、仕方ない。なんとなく、今は学校に居たくなくて足速に校門をくぐった。そのとき。
「まって!ぷりんちゃん!」
先輩の声がわたしを引き留めた。まだ終わったばかりだから、今から告白しに行くのだろうか。
「先輩、今から言いにいくんですか?」
「うん、そうだよ」
「報告お願いしますね!先輩ならきっとうまくいきますよ!」
「ありがとう。でも、俺が報告しなくてもぷりんちゃんが1番に結果がわかるよ」
どういう意味ですかと笑おうとした時、先輩の手がわたしの腕を掴んだ。そして、人通りの少ない道に進む。
「え?行かなくていいんですか?」
その問いには答えずに、ただ笑顔でわたしを見るだけの先輩は、少し歩いて止まった。