第14章 自信がない
しばらく舌を絡めた後、彼がそっと唇を離す。
はぁはぁ…
力入らない
寝そう…このまま寝そう…
寝ちゃおうかなぁ…
彼がそっと身体を起こす。
そしてベッドから降りて、私に掛け布団をかける。
あれ…? 抱っこしてくれないの?
薄目を開けて、彼のほうを見る。
彼は部屋の扉を開けて出ていった。
……。
どこ行っちゃったんだろ、寂しい。
飲み物でも取りにいったのかな。
私は掛け布団をぎゅーっと抱っこして目を閉じる。
…
ガチャ
部屋の扉が開く音で目が覚める。
部屋に戻ってきた彼は、さっき脱いだ服を着始める。
なんとなくじーっと見てると、目があった。
「寝てなかったんですか?」
彼がニコッと私に微笑みかける。
「ちょっと寝てた」
「もう少し寝てても大丈夫ですよ」
布団の中の私を見下ろして、彼は私の頭を軽くなでなでする。
そして背中を向けて、ベッドにもたれる。
「抱っこしてくれないのぉ?」
私は、彼の背中に甘えて話しかけてみる。
「優子さんが服着たら」
背中を向けたまま彼が答える。
そしてそのまま話を続ける。
「さっき…僕」
「うん」
「パンツ履いてなかったら絶対いれてたと思う」
「へっ?」
「優子さんの感じてる顔がエロすぎて…」
「……」
普通のときにそんなこと言われたら超恥ずい!
ていうか…
「引いた?」
「え?」
私の質問に、彼がこちらを振り返る。
「私、エロすぎて引いちゃう?」
「あ…。そんなことはないですよ。嬉しいんです。僕の…なんていうか、すること…に反応してもらえて。ただ…」
「ただ…?」
「自信がない」
「自信…? なんの?」
「この先、いつまで sex しないでいられるか」