第11章 関ジャニ∞:安田章大
なにも考えてないわけじゃない。
確かにあの時、
相談をされた時は私は
1ミリも好きではなかった。
好きではなかったのに。
いつからだろう、
好きな人の話なんて聞きたくないと
そう思い始めたのは。
「大体さ、無理な話ですよ。
好きな人の好きな人の話を聞くなんて
醜い心を晒すだけであって」
「…そう、なんだけど…でも、」
それでも彼の為になりたくて、
それで隣に居れるのであれば
私はそれだけでも十分だったんだ。
でも結局、
どんな理由であれ傍にいたいから。
そんなずるくて滑稽なもので、
私は自己満足に浸ってた。
諦めなきゃいけないのに。
好きになるって、ほんとに楽じゃない。
「…んも、」
「か、ずっ…!」
「俺が、居るから。
お前の傍には俺がずっといるから
だから安心して泣きわめいたらいいんです」
ただ、好きになって欲しくて。
ただ、好きになる理由が、
成り行き上でもいいって思えて。
だけど、貴方じゃなきゃダメだって
そんなワガママな理由で
縛り付けた恋心。
「先輩!!聞いてください!」
「なーに、今度はデート?」
「誘いたいんです〜!」
( 離れたくなくて吐いた嘘 ) END
『早く気づかへんかな、
僕の好きな人は、先輩やってこと…』
それでも恋はすれ違うもので。
『…あかんな、和也がおるんやもんな』
貴方じゃなきゃ、ダメなんだって。