第2章 嵐:大野智
「ねーえ、早く決めようよ」
待ちぼうけして30分。
何を待ってるのかって、
「あかんて!!!
これが好きなんやて」
「ちゃうしっ、これやし!!」
「これがいいって」
相変わらずよく揉めるな。
なんて、呆れていたら
輪から外れてきた智がやって来た。
「楽しそうだね」
「どこが。待ちくたびれた」
智は周りを見るのが得意で、
いつも私が一人だと、
隣に来てくれるんだよね。
「はい。これ」
渡してくれたのは、
ハートの付いたピアス
「可愛い、くれるの?」
「うん。あげるよ」
にこ、と微笑む。
欲しいやつだ。
なんて、揉める彼らを他所に
のほほんと和む私達
「おいっ!
それせこいぞっ!!!」
「ほんま、それな!
智だけいっつもせこいねんっ」
「抜けがけですか!!!」
うるさい輩はほっといて。
今日も楽しく、
5人で仲良くしましょう。
「ちゃん、好き」
「えっ!?」
( 横取り ) END