第1章 イベント前日
「由香、明日のニワンゴのイベントの事なんだけど今時間大丈夫?」
デスクワーク中に話しかけてきた同僚に目を向けず、後少しで完成する書類をにらめつけていると
「ちょっと聞いてるのー?」
と今度は背中にもたれかかりながら、豊満な乳を押し付けて来た同僚に殺意がわく。…私なんてAもないエグレ乳なのに…。
「聞いてる、聞いてるからその無駄にデカイ乳をどけてくれる?美優さん」
左手で美優の顔を押し、離れるよう促すが更に力をこめられ、その豊満な胸を堪能する事となった。
「いやー!だって由香無視するじゃない。だから実力行使するの。」
なにが「するの」だ、いい年した女が…。
私達は会社に入った歳も同じ、年齢も一緒な事から仲がよかったのだけど去年更に仲が良くなる出会いがあった。
去年、ニワンゴ主催の極パーティーというオタクが集う一種の大きいイベントがあって、そこに好きなキャラに男装して参加していた私を一般参加者で来ていた彼女に目撃され逆ナンされた…という。その後、会社で何時もつけてるロングヘアーのカツラをつけ諸々元に戻し理由を説明したら、懐かれてしまったという経歴がある。
どうも、男装時の私を痛く(←ここ重要)気に入っていただけたそうな。
「ちょっと、実力行使って…あと少しで仕事終わるから待っててよ」
口から息が漏れてしまう…頭が痛い。
「やだー、今言いたい事があるのにー」
「仕事終わるまで待てないなら、今回のイベント行かないからね」
「待ちます」
男装が見たい一心の美優には鶴の一声だったようだ。
その後は大人しく私の横で座って待っていた。