第1章 出会い
心が汚い親戚の決定で、ただひとつ私を苦しめたのは《引越し》だった。
なんでも、私を引き取ってくれる家族は宮城に住んでいるらしい。
つまり、両親との思い出の詰まった東京を離れなければならない。
友達も仲間も、みんなみんな離れ離れ。
ねぇ、神様。
私はどれだけ大切なものを奪われなければならないのですか?
今日が初の「澤村さん」との顔合わせ。
いきなり引越しとかは大変だろうから、とりあえず私の家族を知って欲しい。
そして、ほんとに娘として受け入れたい。
澤村さんは電話でそう言ってくれた。
娘として…か
そんなの微塵も思ってないのによく言えるよね………
どーせ
すぐに嫌になるに決まってるのに