第1章 出会い
ようやく学校に着いた。これから入学式だというのに既にあたしは体力の限界な気が……。
昇降口では、先生達が新入生にクラス分けのプリントを配っているらしい。息も絶え絶えに、あたしはそれを受け取った。
えっと、あたしは……
あぁ、あったあった。
「1−3 12番か。」
ん?1−3 11番……影山飛雄?!
「…3組か。」
彼が呟いた。いや、
影山飛雄が呟いた。
どうりで初めて会った気がしない訳だ…。
「ねぇ。」
「ん?」
「元、北側第一中学校出身、天才セッターの影山飛雄?」
少しの間沈黙が流れる。
「………そうだけど…。」
呟くように影山が言った。
「やっぱり!君はどっかで見たことあるような気がしてたんだよ。あー、スッキリしたっ!
あっ、てことは、バレー部に入る?」
「ああ。もちろんだ。」
何だろう。”もちろんだ。”そう言い切った影山に、わだかまりを感じるのはあたしの気のせい?
そうこう話をしているうちに1−3の前までやってきた。