第3章 告白
息を切らせて話すこともできないあたしを、ただただ、影山は支えてくれていた。最低なことをされているって、頭では分かっているのに抵抗出来なかった…。
影山はあたしのそんな迷いの部分につけ込んだのかもしてない。けど、そんなことまであの影山が考えるだろうか?
単純馬鹿という目で影山を見てきたものだから、そういう事は考えられない…
「悪い。」
影山が自分を責めているような表情で下を向き、呟いた。眼は合わせてくれない。
『悪い』って何よ…
責めちゃいけない。そう思う気持ちを通り越して、
「謝るなら何でこんなこと…」
口をついて出た言葉。
気持ちが急いて歯止めが効かなかった。けど、本心だった。
影山を見つめるけど、やっぱり下を向いたままで…。
少しの沈黙の後、
「俺にもわからねぇ。気付いたらお前に…。マジで悪かった…」
「ファーストキス…」
「…ん?」
心の声がポロリと出てしまっていたようだ。
影山は顔をしかめてあたしを見た。
「お前…まさか…、今のがファーストキ…(もが)「言わんといて!」」
つい、影山の口をてで押さえてしまった。それも、関西弁で…
実は生まれは関西なんです。父が転勤して東北へきたのですが、感情が高ぶった時とか、咄嗟に反応してしまった時に関西弁になっちゃうんですよね…。
それはさておき、
ここからどうしよう…。
口を塞いだのはいいものの、先の事考えてなかった…
それにしても、結構男の子の唇って柔らかいんだ。
あたしってばこの唇にキスされたのね…
って、何考えてんのあたし?!
ようやく、影山の口からパッと手を離し、顔が紅くなったのを見られないように、なるべく影山から顔を逸らすようにした。
「なぁ。」
「…。」
「おい!………
いい加減こっち向けって!」
「わあ!」
強引にこちらを向かされ、バッチリお互いの顔が見えてしまった…
顔が赤いのばれちゃったよもお…
「お前…」
ここは開き直るべき?どうすべき?
思考錯誤をしていると、影山から降ってきた言葉は意外なものだった。