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戦国夢想(戦国無双3、戦国無双4)

第3章 唇からロマンチカ(立花宗茂)


仕事で嫌なことがあった時と男にフラれた時は必ずこのバーに来る。

今日は、後者。


カランと空のグラスの中で氷を踊らせる。
席を立つか、もう一杯頼むか、悩んでいた。

「はぁ…」


どうして男という生き物は懲りずに何度も浮気をするのだろう。
私がされやすいだけなのだろうか。

もう一度溜め息をつこうとしていた私の前に頼んでいないカクテルが置かれる。

「これ、私じゃないですよ?」

マスターに返そうとすると横から声を掛けられる。

「それは俺から、だよ」

「え」

目線を横にするとにこやかに笑う男。
一目見ただけでもわかるくらい、この人、モテそう…。

長い手足に切れ長の目、少し目にかかる前髪が色っぽさを醸し出していた。

「綺麗なカクテル…」

「キールだよ、飲みやすいけど酔いやすいから少しずつ…ね?」

「私に…?」

「カクテル言葉は“最高の巡り会い”悪くないだろ?」

あ、また笑った。
なんだろう…この人の笑顔を見てると元彼の事なんて考えなくなる。

(ううん、考えられなくなるんだ…)

急に恥ずかしくなって俯く。

「一人で来てるの?」

「ここには…一人でしか来ません、気に入ってるバーだから」

「そうか…俺と同じだね、俺は立花宗茂」

「あ…私は、です」

「嫌なことがあったって顔してるね」

「そうね…でも、どうでもいいの」

宗茂さんは見透かしたような目で私を見てる。
なんか全部バレていそうな、そんな目。


「俺の伝えたカクテルの意味は、スルーなのかな?」

「…え?」

言われて思い出す、意味に思わず赤面してしまう。

「俺…今、口説いてるんだけどな?」

追い討ちを掛けるような言葉。

「まっ…マスター!」


新しい恋は、案外簡単に見つかるものなのだろうか。

頼んだカクテルを宗茂さんに渡す。

「ちゃん、これは…」


自分でも大胆な事してるってわかってる。
けど、変わりたいの。







……………………………………………………………


唇からロマンチカ/AAA


(ワインクーラー…意味わかってる?)
(わ、わかってます…!)


私を射止めて


(なら、遠慮なく)
(え?…きゃっ///)



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