第2章 君に届け(伊達政宗)
「何をしておる」
「政宗様、お帰りなさいませ…星が流れたのでお祈りを致しました」
にこやかには笑う。
「何を願った」
「政宗様や小十郎様達の日々の無事と…それから明日も、皆にとって良い日になるようにと」
いつもそうじゃ…
が願うのは、祈るのは、他人の事ばかり。
「馬鹿め、星一つでそんなにそんなに叶うわけなかろう…」
「それはわかりませんよ」
また、笑う。
星に願わずともが居ればわしは必ず戻る。
「……」
「はい」
「わしは疲れておる…膝を貸せ」
「はい」
の膝に頭を乗せ横になる。
慣れたように小さな手がわしの頭に触れる。
心地良い。
「政宗様、眠られるのですか?」
目を閉じたわしに問う。
その声はひどく優しいものだった。
「……は自分の幸せを何故願わぬのだ」
目を閉じたまま、問い返す。
「政宗様…」
名を呼ばれ、目を開けると穏やかに笑うの顔。
「私の幸せなど祈る必要はないのですよ、だって…」
顔を寄せ、耳元で囁かれた。
「貴方の側に居られているのだから…これ以上の幸せなどないのですよ」
「っ!!///」
「政宗様?」
「…星になど頼らずとも!はわしの手で天下の嫁にしてやる」
それだけ言うとまたわしは目を閉じる。
「…はい、お願い致しますね」
今が幸せと言われただけでこんなにも心が跳ねるものなのか。
いつか、わしも…伝えねば、な。
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君に届け/flumpool
(ホントに寝ちゃった…政宗様、可愛い…)
(このまま寝たふりをして床に誘うのも悪くないか)
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