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戦国夢想(戦国無双3、戦国無双4)

第5章 D-tecnoLife(真田幸村)


「…殿……」
「…………来ないで、幸村」


血の海の真ん中に一人立つ彼女は、ひどく落ち着いて見えた。
彼女の足元には彼女の父の亡骸。

「やっぱり、間者は…父上だった」

「……!」

だから斬ったと、彼女は付け加えた。

真田昌幸に仕える忍、は幼い頃から幸村と共に育った。
忍らしからぬ、明るい笑顔が幸村は好きだった。


でも


今のからはもう笑顔が消えていた。


「昌幸様に報告に行く、そして私も切腹をする」

「殿!?」

「ごめん、幸村……」


そんな言葉は聞きたくない。
まだ、気持ちも伝えてない。

「……!?」

「そんなことは…させない」

彼女の腕を掴み、引き寄せる。
ここに彼女がいると、確かめるように。

「ゆ…きむら……」

「一人で背負おうとしないで」

「離して…幸村、私はっ!真田を裏切っていたのよ…?許されない…」

「それは…親爺様のしたことだ、は違う」


抱き締める腕に力を込める。


「私も共に背負おう、殿の苦しみも悲しみも…」

自らの父を討つ覚悟はどれ程辛いものだつたか。
忍の任務だと気丈に振る舞う事はどれ程苦しい事か。


「幸、村…っ」

堪えていた涙が、頬を伝って溢れ出す。
包む様に、強く抱き締めた。

「親爺様…真田は貴方を許しません……ですが貴方の一番大切な殿は私が命に換えても守ります」

「さよなら……父上」

そう告げた彼女の瞳には少し光が戻ったように見えた。



「…一つ言わせて幸村」

「…?」

「幸村が私を守るんじゃないわ」

「殿…?」


「私が…幸村を守るのよ」

あぁ、私の好きな殿だ。

力強い笑みを見せた彼女の笑顔は必ず、私が守る。

「幸村」

「はい?」





夜空には月が出ていた。





「大好きよ」

「えっ…!?////」


突然重ねられた唇から彼女の熱が伝わってくる。
心臓が煩いくらいに鳴っている、あぁ…気付かれていないだろうか。

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D-tecnoLife/UVERworld


(唇…柔らかい……)
(何…ニヤニヤしてるの、幸村)

(はっ!)

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