第14章 14日目
「おまたせー!住久おかえりー!!」
「お前らっ!遅い!!」
昔の同期のメンバーがやっと到着してくれた。
住久くんが凄く喜んでる。
「ちゃん、ごめんね遅れて!
仕事がなかなか終わらなくてさあ!」
「、住久に変なことされてないよな?」
「変なことって何!」
「ばか言うなって!二人きりで楽しかったもんな?!」
「うそだあ!住久くん今生き生きしてるよ。」
「いやっ、違う!それはお前が!」
「何、住久、ちゃんが何よ。」
「…お前ら意地悪。きらい。」
「あっはは、俺お前好きよ?」
「気持ち悪い!寄るな!あっち行け!」
住久くんが帰ってくるとこうやって皆が集まってくれる。凄い人だなあ、住久くんって。
「…」
二宮くん、なんで連絡くれなかったんだろ。
このお店に私がいることは知ってるはずなのに。
「…どうした、?」
住久くんが私の顔を覗きこむ。
「あ、ちょっとお手洗い!」
「住久セクハラ~!」
「お前ら、帰ってくれ。」
皆の笑い声を背にして私は部屋を出た。
そして二宮くんにメールをする。
「今お店にいますか?
同期の子が二宮くんと会ったって聞いて、」
…私も会いたいです。
そう打ちたかったけど手が止まった。
ダメダメ。もしかしたら打ち合わせのお食事会かもしれないし、邪魔しちゃダメだ。危ない、また自分ばっかりになるところだった。
途中まで作成したメールに破棄ボタンを押す。何も送らずに携帯をポケットにしまった。