第14章 14日目
「そう、ですか。」
「・・・なんで、
僕の恋愛相談みたいになってるんですか」
「あ、そだね。な、ぜでしょう。」
こんな人が傍にいて、は恋に落ちたりしないんだろうか。カッコよくて、優しそうで、たぶん仕事もできそうなスミヒサくんみたいな人、俺とは違う、いつでも連絡取れて、すぐに会えて、休みの日は手を繋いでデートできる人。
まあ選ぶのはなわけで、だからたとえ二人きりで会ってたとしても、それに関して俺は何も言わない。それはが決めたことだから。
でもそうやっていつもダメになってきた。
「私に興味がないんじゃないの?」そう言われると「そうかもしれない」でいつも済ませる。
そうやって何もかも面倒になる。
じゃあ、どうしたらいいって言うんだ。
束縛して何が楽しい、
束縛されて何が嬉しい、
俺にはよくわからない。
相手を縛って「付き合う」ことがルールになって、お互い窮屈になって、自分が相手を苦しめる。
それのどこがいいって言うんだ。
それが俺の恋愛ルールだった。
それなのに
「では、」と言って元のへ戻って行くであろう、スミヒサくんの後ろ姿を見ると、なんでそれが俺じゃないんだろう、本当は俺のはずなのにと、心の奥がモヤモヤした。
スミヒサ君に会って、急にとの関係が不安になった。なんなの、これ。私が自分と他を比べるなんて。自分に自信なんてあるわけはない。ただ自分は自分で相手は相手なんだから、比べる必要がないと思ってた。
なんなの、これ。
この気持ちをなんと言ったら
俺の恋愛ルールは納得してくれるんだろう。