第22章 22日目
違うよ。潤くん。
「好きだよ、今もずっと。」
だからだよ。
好きな人には幸せでいて欲しい。
辛い思いなんかして欲しくない。
自分のわがままで、
を好きだというわがままで
そんな思いさせたくないから。
「そんなん、納得いかねえ。」
さっきのように声を荒げるわけではなく独り言のようにポツリと呟く潤くん。私とは違って、ほんとに自分に正直な人。
「潤くんがそうやって言ってくれるから、冷静でいられるんだよ。」
「・・・なんだよ、それ」
「俺さあ、我慢できるタイプなんだよね。自分を押し殺しても特にそれが苦にはならない。だから羨ましいよ、潤くんみたいに嫌なものは嫌って言えること。」
「・・・それ、褒めてんの?ちょー微妙。」
「ふふふ、褒めてるよ、十分。」
「・・・ニノはそれでいいんだよね?」
自分のことを言うのが苦手な俺の心配をしてくれるのはとあなただけですよ。ほんと馬鹿なとこ、そっくり。
「まだ言うの相葉さん。俺はが泣かないならそれが一番いいの。」
「カッコイイ事言っちゃって。」
潤くんが二ヤっとからかうようにこっちを見る。
「カッコイイの、私は。」
「やっぱニノってバカだよね~」
「お前にだけは言われたくないわ!」
、こんな俺で本当にごめんね。
ほんとは誰にも渡したくないし
誰よりも傍にいたいし
俺だけに赤くなるを
ずっと見ていたかった。
この場所を全部捨てての元へ行くのが
本当はカッコイイことなのかもしれないけど
この場所には捨てきれないものが沢山あって
会社を仲間をファンの人たちを捨てて
自分の幸せだけを追いかけることなんて
出来なかった。
嵐でアイドルの二宮和也と一緒じゃ
この先、幸せにはなれないから
ごめんね、
最後まで辛い思いさせて。
好きだった。最後まで、今でも、これからも。
『 君のいない生活が 』END.