第22章 22日目
11時、スタジオの楽屋に入る。
「あれ、今日早くない?」
楽屋にはすでに相葉くんがいた。ソファーを一人で占領するように寝そべり、漫画を読んでいる。
「ん、色々あって。」
「色々?」
「・・・まあ、色々。」
「そっか、」
俺が濁すように返事をすると相葉さんはすぐにひいた。空気を読もうとしてかはわからないが、こういう人だ。
そこへ潤くんが勢いよく扉を開けて大声で挨拶をする。
「おはよう!」
爽やかな挨拶をしているはずなのに、眉間にはシワが寄っている。機嫌が悪い時でも挨拶だけはきちんとする人だ。
「おはよう、」
「どうしたの、松潤。」
いつものことではあるけど、一応相葉さんは聞くらしい。その相葉さんを無視して、潤くんは俺に近づく。
「にの、コレ。」
そう言って週刊誌をテーブルに投げつけた。
ああ、それか。こういう時、意外と冷静なのは相葉さんで、意外と取り乱すのは潤くんだったりする。
「うん、俺のせい。」
「何なんだよ、コレ。写ってんの、ちゃんでしょ。」
「え、何。どうしたの、話が読めないんですけど。」
相葉さんが雑誌を手に取り、見出しを読む。
「・・・二股され、激怒、・・・二股?どゆこと?」
「でたらめだよ、別に二股なんかされてないし、手握って移動したのは事実だけど、人気のないところで大喧嘩なんて嘘、喧嘩なんかしてない。」
「デタラメかよ、最低だな、やることが。」
潤くんが私の代わりに感情をさらけ出して舌打ちした。
「・・・最低なのは、俺だよ。」
相葉さんが「え?」と聞き返す。
「今もを傷つけたままだ。」
「は?連絡、してないの?」
潤くんが噛み付く。
「うん、今日は携帯禁止。」
「んなの、俺の使えばいいじゃん。」